時代の流れと共に現れた「ジェンダーレス水着」。
スクール水着は昔は指定されたものを強制的に着用させられていました。
現在は「紺色であれば自由」という学校も増えており選択肢も増えている中、新たな選択肢としてのジェンダーレス水着は時代背景を見ても納得のアイテム。
しかし、このジェンダーレス水着に対して批判的な意見・反対意見も多く上がっているのも事実。
なぜ反対意見はなぜあるのか?を調査したいと思います。
目次
ジェンダーレス水着ができた背景
2022年6月に突如現れた新型水着「ジェンダーレス水着」
上下別れたセパレーツ型で正式名称は「男女共用セパレーツ水着」。
上着は長袖でできるだけ露出を軽減、ボトムスは体のラインが出にくいハーフパンツとなります。
小学生から高校生を対象に、男女の区別なくつくられたスクール水着で、すでに東京と兵庫の3つの学校が導入を予定しています。
日テレニュースより
学校現場から、“心と体で性の違う生徒の水着選び”について相談があったことなどから、製造されました。
体のラインが出にくい素材やデザインで、メーカーは「生徒たちが性の違いを意識せずに水泳の授業に参加できるよう役立ちたい」と話しています。
SDGsの観点やLGBTQへの意識が高くなり「ジェンダーレス」の動きが学校現場にも広がっています。
制服も自由に選べるようになるなど学校現場では新しい取り組みが進んでいます。
ジェンダーレス水着に反対の理由
具体的な反対理由を見ていきたいと思います。
単純なスク水好きや、露出云々のところは今回の調査対象には含めません。
理由①水泳の競技アイテムとして不向き
まず1つ目の理由としては競技アイテムとしての機能が低いという点です。
デザインを見ても分かるとおり、かなりゆったり目に作られているため、泳ぐことに対してはどうなんだ?という意見が多い印象。どうしても着衣水泳みたいになってしまいます。
一方でFINA(国際水泳連盟)では水着のアイテムとしての進化からか2011年に水着の規定を変更しています。
・男性はヘソを超えず、膝までとする。
・女性は肩から膝までとする。ただし、首・肩を覆うことはできない。
2000年に活躍したイアンソープなどは全身が覆われた水着を着用していました。
水着の機能が上がりすぎたため水着によってスピードが左右という状況に陥りました。
それを危惧したFINAが水着の規定を変更。現在の形となりました。
この変更にはジェンダー改定との意見も出ていましたが、競技の公平性を保つためにLGBTQとは真逆の方向に進まざるを得なかったといえます。
「全員が全身タイツの水着を着たらいいんじゃないの?」
とも思いますが、そうすると今度は国と国との貧富の差、技術力の差になってしまうので、現行の案にまとまったものと思われます。
ジェンダーレス水着を着ていたのに、競技になった途端に性差のあるユニフォームの着用を義務付けるのも酷な気がしますね。
しかし、ここは学校の水泳に対してどこのレベルを求めるかにもよるかと思います。
学校の授業で泳ぎ方を習う理由の一つは、水難事故を避けることだとされている。そのためには、少なくとも水に慣れてもらう必要がある。生徒が水泳の授業に参加したがらない状況を、新型水着で改善したいというのが佐野氏の願いだ。
ITメディアビジネスより
水難事故を避けるという名目であれば、やはり水に慣れてもらうことが最優先。
まず水に入ってもらう。
それであれば着衣水泳と揶揄されるこのジェンダーレス水着でも問題ないのかなと感じます。(むしろ実践練習になる?)
理由②価格が高い
意外と多い意見が価格が高いという点。
通常のスクール水着の価格帯が2,000円前後が中心なのに対して、
ジェンダーレス水着の価格は6,380円〜6,820円
通常の倍以上の金額となります。
私立の学校はともかく公立学校の場合、家庭状況は様々。
LGBTQに悩みを抱えても解決方法にお金が発生してしまうのは良くないのでは?という意見が見られます。
確かに高いですね・・・これは事実だと思います。
強制的にとなると難しいところですが選択肢の一つとして準備しておくことは重要だと思います。
一般化する中で価格も落ち着いてくることも想定されます。
そもそも制服ビジネスに反対している人、ここで声をあげています。
理由③同質化は根本解決にならない
「身体的な違いがあるのは当然だから、それがわからないように男子も女子も否応なく水着のデザインを統一しよう」というのは、裏を返せば「身体的な違いは人前では出さず、なるべくマジョリティのふりをするべき」という日本の大人ならではの思考を子供に押し付けているように感じます。
Yahoo!知恵袋より
3つ目の理由は、人は違いがあるものなのにそれを全員同じもので覆ってしまうことに対する違和感です。
LGBTQで悩んでいる人がいるのも事実で解決すべき問題だけれども、一律で同じものを着ることが根本解決にはならない。
むしろ違いがあることを認識できないのでは?という意見が多い印象です。
「なるほど」とも思いますが、それを実際に嫌と感じる子がいることも事実。
嫌だという子がいる以上、それを実践させることがトラウマにもなり得ます。
事前教育を徹底し「性差について、一人一人が違うことについての理解」を深めることは重要だと思います。
そのほかにも「虐待の兆候を見つけにくくなる」など少数派の意見などもあり、なるほど〜学校の先生じゃないと思い付かない視点もあるなと思いました。
それでも大多数は「反対」に反対!
ジェンダーレス水着の反対意見について調査しましたが、それでも大多数の方はこのジェンダーレス水着に賛成の人が圧倒的に多いです。
もちろんLGBTQへの配慮もそうですが、思春期の体系の変化に対する意見。
そして皮膚疾患や日焼け対策として、親世代から評価が高いようです。
性差以外にもいろんな状況を抱えており一人一人が違う悩みを抱えている中、このジェンダーレス水着が選択肢の一つになることでそういった人たちの解決にも一役買いそうです。
来年の導入学校も当初10校だったのが現在200校超え。
このジェンダーレス水着は今後当たり前になる時代が来そうですね。