連日報道されるジャニーズ事務所の創設者・ジャニー喜多川さんによる性加害問題。
日に日に問題は大きくなり遂には藤島ジュリー景子社長の退任まで発展しました。
そんな中注目が集まるのは「ジャニーズ性加害当事者の会」の動き。
もちろん被害者が声をあげることは大切だと思いますが、どうやらその動き自体にも疑問に思う点が。
それが事件の時効に関する点とジャニーズ事務所に対する賠償金。
どうやら法律は全く無視で動いていそうなのです。
こちらでは性加害の実際の時効&賠償金額の相場について。
そして当事者の会が一体どんな異常な請求をしているかをお伝えいたします。
どうぞご覧ください!
目次
ジャニーズ事務所は『法を超えて対応』を表明!
9月7日に記者会見を行ったジャニーズ事務所。
この場では大きく9点について語られました。
・性加害の事実認定と謝罪
・藤島ジュリー景子氏の社長退任
・東山紀之氏の社長就任と今後の芸能活動について
・被害者への補償、救済、対話について
・性加害への認識の有無
・ジャニーズ事務所の社名維持について
・メディアの沈黙について
・ファンに対して
・所属タレントや保護者に対して
この中でもポイントは今回の騒動の発端となった性加害の事実認定を行い、今後の補償にまで言及した点。
さらに救済、補償に対しては
今回は法を超えて救済、補償というのが必要だと思っている
新社長自らが『法を超えて』と宣言。
しかし、そうなるとやはり気になるのが実際に司法に判断を委ねた場合はどうなるのか?ということ。
これがわからないとジャニーズ事務所がどれだけ手厚い救済、補償を行なっても評価ができないと思います。
刑事&民事両方から紐解いていきたいと思います。
被害者に対して真摯に対応するとしたジャニーズ事務所の体制についてはこちら↓↓↓
ジャニーズの性加害問題は時効?
刑事事件の時効は15年
刑法条の時効は
さらに被害者に怪我をさせてしまったり、死亡させてしまった場合はさらに重い刑として強制性交等致死傷罪(刑法181条2項(改正前))が成立。公訴時効もより長い期間となり、被害者をケガさせてしまった場合には公訴時効は20年、被害者を死亡させてしまった場合には公訴時効は30年になります。
さらに強制性交等致死傷罪の場合18歳以下に対応する附則もあります。
強制性交等致傷事件の当時、被害者が18歳未満だった場合、18歳になる日までの期間が公訴時効に加算されます(刑事訴訟法 附則(令和5年6月23日法律第66号) 第5条、刑事訴訟法250条3項1号)。
アトム法律事務所より
怪我をさせたという証言はないので、ジャニー喜多川さんの事実認定されるとすれば強制性交等罪(時効15年)が適用と考えます。
※強制性交等罪は不同意性交等罪に改正されています。
改正刑法は、2023年6月23日に公布、施行日は2023年7月13日。
民事事件の時効は20年
民事上の賠償請求権にも時効が存在します(民法724条)。
第724条
神戸合同法律事務所より
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
ポイントは2つ。
この2つが民事事件の時効の原則です。この期間を経過すると支払う義務がなくなります。
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」メンバーは時効が成立していた
刑事・民事での時効を見ると
法的に解決する場合は2003年以前の事件は全て時効が成立していることとなります。
現在、ジャニー喜多川さんからの性被害を告発している入所期間をみていきましょう。
まずは「ジャニーズ性被害当事者の会」のメンバー。
名前 | 生年月日 | 入所期間 |
平本淳也 | 1966年6月14日(57歳) | 1976年〜1986年 |
石丸志門 | 1967年9月5日(56際) | 1982年〜1985年 |
二本樹顕理 | 1983年8月22日(40歳) | 1996年〜1998年 |
中村一也 | 1987年6月17日(36歳) | 2001年〜2003年 |
志賀泰伸 | 1968年8月3日(55歳) | 1984年〜1994年 |
ハヤシ(仮名) | 不明 | 1988年頃 |
イズミ(仮名) | 不明(55歳) | 不明 |
大島幸広 | 1985年3月13日(38歳) | 1998年〜2000年 |
長渡康二 | 1983年6月18日(40歳) | 1996年〜2000年 |
続いて会には所属せず文春などで被害を告発したメンバー。
名前 | 生年月日 | 入所期間 |
カウアン岡本 | 1996年5月27日(27歳) | 2012年〜2015年 |
橋田康 | 1998年9月18日(38歳) | 1998年〜2004年 |
中村一也さんは自称の経歴で退所を2003年3月としているので時効成立。
イズミさんは入所期間は不明ですが年齢的に2003年以降にジャニーズに在籍することは不可能。
今回ジャニー喜多川さんの被害を告発している元ジャニーズJr.のうち2003年以降にジャニーズ事務所に在籍しているのはカウアン岡本さんと橋田康さんの2人のみ。
しかし9月15日に動きがありました。
新たに元キスマイを名乗る飯田恭平さんの加入が発表されました。
名前 | 生年月日 | 入所期間 |
飯田恭平 | 1987年11月18日(35歳) | 2001年〜2006年 |
飯田さんがジャニーズ事務所に所属していたのは2001年〜2006年。飯田さんのみ時効成立前ということになります。
性加害での賠償金の相場は200〜500万円
続いてみていきたいのはこのような性加害事件が起こった際の賠償金について。
民事での賠償請求は「不法行為に基づく損害賠償請求権」民法709条に基づき、精神的苦痛に対する慰謝料(710条)に則って請求を行うこととなります。
示談金の相場は、大体200〜500万円と紹介されていることが多いですが、こちらは実質あってないようなものなので、弁護士に相談しながら状況に応じて金額を決定しましょう。
法律相談ナビより
被害があっての示談金・賠償金なので相場というものはないのですが実際の判例をみてみると大体の相場が200万円〜500万円の間。最高金額が1,000万円といったところです。
『ジャニーズ性加害当事者の会』の請求内容は異常すぎる!
『ジャニーズ性加害当事者の会』の請求が法外と言われていますがそれらは過去に実際に会の当事者たちが発言してきた内容にあります。
副代表•平本志門がブログに生涯補償&車を要求
『ジャニーズ性加害当事者の会』の副代表を務めている石丸志門さん。
石丸さんは7月7日に自身のブログ『ジャニ悪(ジャニーズ性加害当事者の会副代表のブログ)』にジャニーズ事務所に提言を行なっています。
今は新たに告発しようと思ってもデメリットしかないので後から続く告発者もなかなか出てきません
そういった意味では、ジャニーズ事務所とまず話をして、僕の場合だったら生涯にわたっての中流一般家庭並みの金銭保証、最新精神治療の提供、藤島ジュリー景子社長、白波瀬副社長からのジャニー喜多川の性加害の認証、謝罪、その上での今後の言論の自由、という要求を漏らさず飲んでくれたら、後に続く人も声を上げやすくなるのではないか、とは思います
そんな無理な要求ではないように思いますが…生活保護では車も所持できませんので、せめてFITくらいは買える生活をしたいと思っています
お金の問題じゃないなんて理想論を掲げたところで被害の記憶が消えることはないのですから、ジャニーズ事務所としてできることはお金と謝罪と心のケアしかやりようがないでしょう
であれば適切な金額は求めないといけないなと思います
ジャニ悪(ジャニーズ性加害当事者の会副代表のブログ)より
ここで副代表が求めている内容は
・生涯にわたっての中流一般家庭並みの金銭保証
・車(FIT)が欲しい!
中流階級と呼ばれる人たちの年収は500万円〜900万円程度とされています。
一度きりの支払いであれば相場の範囲内ですが
車のFITの新車価格は160万円〜。
ちょっとドン引きなレベルの法外さですね。
財団を設立し売上の3%を入金を要求!
9月4日に都内で行われた『ジャニーズ性加害当事者の会』の記者会見。
この中でもびっくりするような提言が飛び出します。
それを発言したのが代表の平本淳也さん。
僕は財団作ってくれませんか?みたいなお願いをしたんですよ。
毎年ジャニーズから3%売上くれれば、相当数の被害者救えるんじゃないっすか?って林さんとね。
ただ目の前にいる被害者たちを救うんではなくこれからも、ポジションなく時効もなく告白できる、それをジャニーズ事務所が受け入れるべきだと。
なかなかびっくりな発言です。
石丸副代表同様に一生涯の保証を求めつつもその内容!
・ジャニーズ事務所の売上の3%を毎年献上
・時効はなし
ジャニーズ事務所の売上は公表されていませんが約1000億円ほどと言われています。
今回、当事者の会が請求したのはその3%!
さらに時効もなしで!とまで加えています・・・
被害にあわれていたら非常に不憫だと思いますが、これらの発言を聞いていてもまともな団体ではないのでは?という疑念はどうしても生まれてしまいます。
まとめ
ジャニーズ事務所の性加害問題の時効と賠償金の相場についてお伝えいたしました。
時効はとっくに切れている状態で法外な請求をしていることがわかりました。
東山社長は「法を超えて」救済するという発言はしましたが、法外な救済をするとは言っていません。
被害者救済委員会や金銭補償受付窓口の設置など対策を急いでいます。
もちろん過去のことは綺麗に精算して欲しいと思いますが、事務所側の対応にも注目していきたいと思います。