不祥事でたびたび話題になっているビッグモーター。
そのビッグモーターがついに会見を開きました。
その中では謝罪とともに現在の社長・兼重宏行氏の退任。
そして新社長に和泉伸二氏が就任するというものも。
そんな新旧トップが語った会見の全文&質疑応答の全内容をご紹介します!


兼重宏行の冒頭挨拶全内容

こちらはビッグモーターの社長・兼重宏行氏の謝罪文全文です。
この度、損害保険会社様に対する保険金請求に際して、当社板金部門が不正な請求を行なっていたことが明らかになりました。詳細は外部の弁護士で構成される特別委員会の調査報告書の通りです。 当社を信頼いただいたお客様、損害保険会社様、お取引様をはじめとするステイクホルダーの皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
また、不適切な保険金請求を行なっていたお客様に対しましては、損害保険会社様と連携しながら速やかに、最終には返金も含め、対応を進めて参ります。弊社では他部門の不適切な行為についても社内調査を継続し、早期の全容解明に努めて参ります。 弊社では常にお客様のニーズに合ったサービスをご提供することを企業理念に掲げ、安心してお客様に自動車に乗っていただけるよう取り組んで参りましたが、このような事態を招いてしまったことを企業のトップに立つ者として非常に重く受け止めており、慚愧に堪えません。
特別調査委員会の報告書では今回の問題の原因として
1・不合理な目標設定
2・コーポレートガバナンスの機能不全とコンプライアンス意識の鈍麻
3・経営陣に盲従し忖度する歪な企業風土
4・現場の声を拾い上げようとする意識の欠如
5・人材の育成不足
の5つを指摘しております。これらは経営のトップとしての私の責任だと極めて重く受け止めており、責任を痛感し、深く反省しているところです。
この度、企業風土を一新するためには新社長のもと、全社一丸となり力を合わせて進んでいくことこそ、今般ご迷惑をおかけした皆様方の信頼を取り戻す近道でないかと判断し、私は7月26日付で代表取締役社長を辞任することといたしました。
今回の件を厳粛に受け止め、新たな経営体制のもと、二度とこのようなことを起こさぬよう、特別調査委員会に提言いただいた組織風土の改革をはじめとする再発防止策に全社をあげて取り組んでいってもらいたいと考えており、私自身もできる限りの協力をしていく所存です。 お客様、損害保険会社様、お取引先様をはじめとする全てのステイクホルダーの皆様に多大なご迷惑をおかけすることとなり、改めて深くお詫び申し上げます。
この度は誠に申し訳ございませんでした。
記者会見の冒頭の謝罪で社長の退任発表。
正直、非上場会社で100%の株を取得している人物の退任にどれだけの意味があるのか疑問に感じます。
和泉伸二の決意表明全内容

続いては新社長・和泉伸二氏が語った謝罪とこれからの決意表明の全文になります。
7月26日付けで新社長に就任いたします和泉伸二です。
まず初めにこの度の保険金不正請求においてご被害にあわれたお客様に対して深くお詫び申し上げます。
重ねて過去にも弊社をご利用してくださったお客様に対してもその時に受けた商品・サービスに対して大変なご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
これまで弊社は創業者の兼重宏行のリーダーシップとその卓越したビジネスモデルにより今や業界を代表する企業になりました。その反面あまりにも強すぎるリーダーシップに頼り切っていた面も否めません。さらには弊社は非公開企業でありますことから、さまざまなご意見やさまざまなご指摘を拝聴するという機会も非常に少なく客観的な目線も希薄になっていったことでコンプライアンスの低下を招き、ひいては今回のようなことを引き起こしてしまったと強く痛感しております。
今回起きた不正はどこを向いて仕事をしていたのかということが大きいと考えております。お客様満足を最優先にお客様の方を向いて仕事をしていればこんなことは起きていません。先の調査報告書にも多々ご指摘がありましたようにこの数年間行きすぎた業績管理、不合理な目標設定、頻発する降格人事。こういったことにより徐々に歪な企業風土を作ってしまい、いつしか会社の方を向かせて仕事をさせてしまったことがお客様の信頼や期待を裏切り、それを売上に変えてしまったという絶対にあってはいけないことが起きてしまいました。
私は新社長として常にお客様のニーズにあったクオリティの高い商品・サービス・情報を提供し、お客様に安心して車に乗っていただく。全社員が正しい仕事が行えるようにその骨格となるガバナンスを徹底的に強化してまいります。
そのためには我々経営陣がまず改めて社会の中での会社の存在意義・存在価値・役割を再認識してしっかりと理念を打ち立て、コンプライアンスを常に意識して守っていきます。
お客様満足を最優先に現場の社員がお客様の方を向いて仕事ができるように、そして一人一人が胸を張って誠心誠意サービスが提供ができるように。そのような風土改革をしてまいります。
まずそのためには我々経営陣が現場に出向き、現場の目線で全社員とベクトルを合わせ現場の声に耳を傾け、風通しのいい企業風土を作ってまいります。
最後になりますが、このような状況の中でも弊社を信用してお取引してくださってるお客様がいらっしゃいます。その影にはお客様と長年かけて信頼関係を構築してくれた素晴らしい社員がいます。そして今回大変なご迷惑をおかけした損害保険会社様。さらには日頃献身的に私たちを支えてくださってます各お取引業者様。全てのステークホルダーの皆様に私が本日お話ししたことを必ずやり抜くというお約束をして、私の決意とさせていただきます。
この度は誠に申し訳ございませんでした。
まさかの兼重前社長上げからの、そこへ結びつける流れでした。


記者会見質疑応答の内容
不正行為が組織的なものだったのでは無いのか?
まず質問されたのが不正の組織的な関与という点。

組織的というのはない。
個々の工場長が指示してやったんじゃないかと。それでないとこういうことは起きないと思っています
これに対して真っ向から否定。
さらには工場長と名指しして、犯人としています!
さらに不正をしてしまった理由としては
不合理な目標設定が原因としています。
この目標設定が=ノルマとなり、ノルマ達成のためにプレッシャーをかけ、それが原因で問題が起きたとしています。
報告書では全社員の40%に当たる104名が不正に関わっており到底納得いかない内容ですね・・・



組織的と思われても致し方ないですが、決してそんなことはありません
さらに話は変な方向へ広がっていきます!
それがゴルフボールに対して!



ゴルフボールを靴下に入れて振り回して水増し請求する。
本当に許せません。ゴルフを愛する人への冒涜です。分かり次第刑事告訴含む厳正な対処をしたい
ええええ!ポイントそこ!?となる場面ですw
感覚が一般と明らかにずれていることがわかる瞬間でした。
しかしこれには何かを察したのか会見終了間際、「今考えてみると、責任も私もあるなということで、厳正に対処させてもらいますけど、そこまでする必要はないなと考えています。考え直しました。」と発言を一転!
刑事告訴の意志を撤回しました。
経営計画書に「今、すぐ辞めてください」と記載されていた点
ビッグモーターの経営計画書に、「会社と社長の思想は受け入れないが、仕事の能力はある」人については「今、すぐ辞めてください」と記載されていた点についても質問が。



説明をしっかりしたら良かった。そんなに深い意味はない。
遊びに行くなら気心知れた友達と、仲の良い友達と遊びに行った方が楽しいじゃないですか。その延長線みたいな感じ。会社の方針は前に行くといって、俺は前には行かない、後ろに行くと、これでは経営できませんので、どんなに能力が有っても、会社と一緒に頑張ってくれないと力を発揮できない。そういう意味です
書き方はともかく会見内で比較的まともかなと思った部分です。
会社の経営方針と社員の考えが一致してこそ会社は成長していくということが言いたかったのかな?と感じます。
やはり問題は言い方ですよね・・・
10何年前に書いた物で、今の時代にはもっと説明が必要だったと、反省しています。
この経営計画書にも色々不審な点が潜んでいそうですね・・・


社員にLINEでメッセージを送ったことについては
兼重社長は問題発覚後に従業員に対して以下の内容のLineを送っています。
「全社員の2%の不祥事を、世間の関心を集めるために、会社全体の組織ぐるみだと決めつけて報道しています」
これに対して問われると



みんなを元気にしようということで。
営業現場は不正にはタッチしていないから、堂々とお客さんと接してくれと。元気づけるために送った
これだけの大ごとにも関わらずたった2%の不祥事という認識が透けて見えますね・・・
こちらに関しても「文章は不適切だったのは否めません。申し訳ありません」と謝罪をしていました。
車1台あたりの修理の金額ノルマについては
問題となったビッグモーターの車1台あたりの修理のもうけを「@(アット)」と呼ばれるノルマ。
その金額が1台当たり14万円前後とされていました。
これに対してはノルマではないと否定。



過去に生産性を上げようと、1日当たりの生産高の目標を粗利で14万円としていたことがあったが、それを勘違いした本部長が押しつけたことが、不正を起こす原因になったと思う
ここでも経営陣では無く本部長に責任をなすりつけています。
降格人時について
ビッグモーターの異常すぎる人事についても質問が飛びます。
ノルマを達成できないとすぐに降格する人事に対しては次のように回答しました。



仕事をやってもらって、十分な力がないという場合はすぐに降格します。
一歩下がり全体を見てもらって、人として成長するんです。すぐに敗者復活。
その繰り返しで、これを一つの社員教育の一環としてやっていました。
兼重社長曰く降格と同じくらい昇進(復活)もしているとのこと。
行き過ぎだったのかもしれません。としておりますが、昇進・降格は人生の一大事。
それで生活が変わってきてしまいます。
それを社風のように語るあたりが時代錯誤奈気がしますね。
ヘラヘラ会見にSNSでは怒りの声が
今回の謝罪会見ですが兼重さんが常にヘラヘラしていると怒りの声が上がっています。
会見中は不祥事を起こした会社の会見とは思えないほど終始他人事のようにヘラヘラする兼重社長。
今回の件で社長を退くものの非上場会社で100%の株式を所有している兼重さん。
自身の退任なんて痛くも痒くもないといったところなのでしょうか。
これには流石に見ていて怒りを覚えました。





